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タランチュラの生態について解説するとともに、20年以上、生物学学芸員として博物館施設に勤務し、昆虫が専門分野の一つである筆者が、その飼育方法についてご紹介していきます。
タランチュラとはどんな生き物?
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オオツチグモ科(オオツチグモか、大土蜘蛛科)とは、節足動物門鋏角亜門クモ綱クモ目の群のひとつである。一般にはタランチュラの名称でよく知られている。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/オオツチグモ科
タランチュラの分布
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タランチュラは世界の亜熱帯・熱帯域から南半球にかけてさまざまな種が分布しています。
タランチュラの主な種類
ツリースパイダー
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インディアンオーナメンタルタランチュラに代表される南米およびアジアに生息する樹上性のタランチュラの総称です。非常に機敏で獰猛な性質をしています。
バードイーター
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世界最大のクモであるルブロンオオツチグモが属する「オオツチグモ亜科」のなかでも南北アメリカに生息するものを指します。地表性で、タランチュラのなかでは比較的温和な種類が多く、飼育初心者向きです。
腹部の刺激毛を飛ばして威嚇するという変わった習性を持っています。
キングバブーンスパイダーに代表されるアフリカに生息するハルパクティラ亜科の総称で、地中性です。成長が非常に遅く長寿なことが特徴です。性質は比較的温和です。
飼育人気種であるコバルトブルータランチュラが含まれるグループで、アジアに生息するタランチュラのなかでも地中~半樹上性の種を指します。極めて獰猛かつ強い毒を持つ種が多いので、飼育上級者向きです。
タランチュラはあまり乾燥した環境は苦手ですので、大型のプラケースに深めにピートモスなどの床材を敷き、しっとりを湿り気がある程度に霧吹きをして加湿します。
タランチュラの繁殖は、多くの種でそれほど難しくありません。メスが巣をつくり始めると繁殖のタイミングです。
バブーンスパイダー
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キングバブーンスパイダーに代表されるアフリカに生息するハルパクティラ亜科の総称で、地中性です。成長が非常に遅く長寿なことが特徴です。性質は比較的温和です。
アースタイガー
飼育人気種であるコバルトブルータランチュラが含まれるグループで、アジアに生息するタランチュラのなかでも地中~半樹上性の種を指します。極めて獰猛かつ強い毒を持つ種が多いので、飼育上級者向きです。
オオツチグモ科の下位分類
オオツチグモ科には以下の亜科が含まれます。
Acanthopelminae アカントペルマ亜科
Aviculariinae アヴィクラリア亜科
Eumenophorinae エウメノフォルス亜科
Harpactirinae ハルパクティラ亜科
Ischnocolinae イシュノコルス亜科
Ornithoctoninae オルニトクトヌス亜科
Poecilotheriinae ポエキロテリア亜科
Selenocosmiinae セレノコスミア亜科
Selenogyrinae セレノギルス亜科
Stromatopelminae ストロマトペルマ亜科
Theraphosinae オオツチグモ亜科
Thrigmopoeinae トリグモポエウス亜科
タランチュラの基本情報
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タランチュラは毒を持つ?
タランチュラの多くはそれほど強い毒は持っていませんが、一部、アースタイガーの部類には強毒を持つ種もあります。タランチュラの大きさは?
タランチュラのなかでも大きな種ではレッグスパン(脚を広げた最大長)が30cmにもなるものがいます。タランチュラの寿命は?
タランチュラはオスの寿命は3年前後と短いですが、メスの寿命は長く、10年生きた例もあります。タランチュラは脱皮する?
タランチュラは他の節足動物同様に、成長や新陳代謝のために脱皮をします。仔虫の時期は一ヶ月おき程度と脱皮スパンは短いですが、成長すると年に数回の脱皮スパンになります。成虫は脱皮前に数週間の絶食期があり、また、脱皮時は仰向けになり動かなくなるので死んでしまったと勘違いしないようにしてください。タランチュラの飼い方
タランチュラの飼育環境
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タランチュラはあまり乾燥した環境は苦手ですので、大型のプラケースに深めにピートモスなどの床材を敷き、しっとりを湿り気がある程度に霧吹きをして加湿します。
また、タランチュラは水をよく飲むので、浅い皿に水をためておくようにします。
タランチュラは亜熱帯から熱帯の生き物なので、寒さには強くありません。飼育ケースの下にマットヒーターを敷き、温度が25℃前後になるように加温してください。
タランチュラの餌
タランチュラは完全な肉食・捕食性ですので、基本的には生きた餌を与えます。もっとも便利なのが餌コオロギで、よく餌付きます。大型種は食べる量も多くなりますので、冷凍マウスなどに餌付かせます。タランチュラの繁殖のさせ方
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タランチュラの繁殖は、多くの種でそれほど難しくありません。メスが巣をつくり始めると繁殖のタイミングです。
雌雄をペアリングする際は、共食い(特にメスがオスを食べることがほとんど)を避けるため、事前に両方にしっかりと餌を与えておきます。また、タイミングを間違えるとオスが食べられることがほとんどなので注意してください。
卵は卵嚢に産みつけられ、孵化するまではメス親が守ります。
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