カラスアゲハの生態について解説するとともに、20年以上、生物学学芸員として博物館施設に勤務し、昆虫が専門分野の一つである筆者が、その飼育方法についてご紹介していきます。
カラスアゲハとはどんな生き物?
カラスアゲハ(烏揚羽、Papilio dehaanii)はチョウ目アゲハチョウ科に分類されるチョウの一種。日本では北海道から九州まで全土に分布する。オスには前翅に黒いビロード状の毛があるが、メスにはない。また、メスはオスに比べて後翅の赤斑が目立つという特徴がある。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/カラスアゲハ
カラスアゲハの成虫の飼い方
カラスアゲハの成虫は強い走光性を持つため屋内での飼育は困難です。このため、屋外にネットで囲った飼育スペースを作って飼育します。本種は野生では花の蜜を餌にしていますが、飼育下では昆虫ゼリーやスポーツ飲料で代用可能です。
昆虫飼育ネットの設置例
画像引用:amazon.co.jp
この写真のように、昆虫(特に蝶類)を飼育するための専用ネットケースなども市販されています。
カラスアゲハの繁殖と幼虫飼育
カラスアゲハの幼虫の食草はコクサギ・キハダ、サンショウ・カラスザンショウ・ミヤマシキミ・カラタチといったミカン科の樹木の葉です。
このため、成虫の飼育スペースに鉢植えにしたこれらの木を入れておくと産卵します。
孵化した幼虫はこれらの葉を食べて成長し、暖かい時期だと1ヶ月程度で成虫になります。
なお、本種は蛹で越冬します。