オオムラサキの生態について解説するとともに、20年以上、生物学学芸員として博物館施設に勤務し、昆虫が専門分野の一つである筆者が、その飼育方法についてご紹介していきます。
オオムラサキとはどんな生き物?
オオムラサキ(大紫、Sasakia charonda)は、チョウ目(鱗翅目)タテハチョウ科に分類されるチョウの1種。日本の国蝶。成虫は年に1回だけ6–7月に発生し、8月にも生き残った成虫を見かける。クヌギ、コナラ、ニレ、クワ、ヤナギなどの樹液に集まったり、クリ、クサギなどの花で吸蜜する。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/オオムラサキ
オオムラサキの分布・大きさ
オオムラサキは北海道から九州にかけて分布し、クヌギやコナラのある雑木林に生息しています。国外では朝鮮半島・中国・台湾北部・ベトナム北部と東アジアの温帯~亜熱帯にかけて広く分布しています。
本種はタテハチョウとしては大型の種類で、前翅長はおよそ50~55mmもあります。
オオムラサキの成虫の飼い方
画像引用:https://www.konchukan.net/pdf/kiberihamushi/Vol32_2/kiberihamushi_32_2_3-6.pdf
オオムラサキの成虫は走光性があるため屋内で飼育することはできません。屋外にネットで囲った飼育スペースを作って飼育します。
オオムラサキの成虫は走光性があるため屋内で飼育することはできません。屋外にネットで囲った飼育スペースを作って飼育します。
本種は野生では樹液や腐果などを餌にしていますが、飼育下では昆虫ゼリーやスポーツドリンクなどで代用可能です。
オオムラサキの幼虫の食樹はエノキやエゾエノキです。このため、飼育スペースに鉢植えにしたこれらの木を入れて成虫を飼育すると産卵します。産卵は夏に行われ、晩夏に孵化した幼虫はエノキ類の葉を食べて成長し、晩秋にはいったん地上の落ち葉の下に降りて越冬します。
春になりエノキに新芽がふくようになると、幼虫はふたたび木に登って葉を食べて成長を続け、初夏に蛹となって羽化します。
昆虫飼育ネットの設置例
画像引用:amazon.co.jp
この写真のように、昆虫(特に蝶類)を飼育するための専用ネットケースなども市販されています。
オオムラサキの繁殖と幼虫飼育
オオムラサキの幼虫の食樹はエノキやエゾエノキです。このため、飼育スペースに鉢植えにしたこれらの木を入れて成虫を飼育すると産卵します。産卵は夏に行われ、晩夏に孵化した幼虫はエノキ類の葉を食べて成長し、晩秋にはいったん地上の落ち葉の下に降りて越冬します。
春になりエノキに新芽がふくようになると、幼虫はふたたび木に登って葉を食べて成長を続け、初夏に蛹となって羽化します。