女性が自宅で取り組める腹筋運動(クランチ・レッグレイズ)の種類とやり方を解説します。
腹筋の構造と作用
腹筋群は四層構造をしており、表層から腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋の順で構成されています。それぞれの筋肉の作用は以下の通りです。
腹直筋:体幹を曲げる
外腹斜筋:体幹をひねる
内腹斜筋:外腹斜筋の補助
腹横筋:腹圧の維持と呼吸の補助
女性が腹筋を鍛えるメリット
引き締まった腹部ラインになる
腹筋群を鍛えることで、腹部にハリができ、また、ダイエットと合わせて実施していくことで腹囲が減少してくびれが強くなります。
さらに、ダイエットとトレーニングを続けていくと腹筋が割れる(縦線が入る)状態になっていき、最終的にはシックスパックになるも可能です。
腹筋運動の負荷回数設定
筋力トレーニングの対象となる骨格筋は、筋繊維が束状になって構成されていますが、その筋繊維には大きく「遅筋」と「速筋」があり、速筋は「速筋繊維Ⅱa」と「速筋繊維Ⅱb」に分けられます。それぞれの特性と筋力トレーニングでの負荷設定は以下の通りです。
遅筋(遅筋繊維Ⅰ)
持久的な運動において持続的な遅い収縮(Slow)をし、酸素(Oxygen)を消費することからSO筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えてもほとんど筋肥大しません。陸上競技で例えるなら、長距離走に必要な筋肉です。
筋力トレーニングでは20レップス以上の反復回数で挙上限界がくるような、低負荷設定で鍛えます。
速筋(速筋繊維Ⅱa)
持久要素のある瞬発的な動作において速い収縮(Fast)をし、酸素(Oxygen)を消費することからFO筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えると筋肥大します。陸上競技で例えるなら、400~800m走に必要な筋肉です。
筋力トレーニングでは12~15レップスの反復回数で挙上限界がくるような、中負荷設定で鍛えます。
速筋(速筋繊維Ⅱb)
瞬発的な運動において爆発的な速い収縮(Fast)をし、グリコーゲン(Glycogen)を消費することからFG筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えると強く筋肥大します。陸上競技で例えるなら、100~200m走に必要な筋肉です。
筋力トレーニングでは6~10レップスの反復回数で挙上限界がくるような、高負荷設定で鍛えます。
腹筋運動の回数設定は15~20回
腹筋群を構成する筋繊維は、遅筋(遅筋繊維Ⅰ)の割合が高いため、この筋繊維をターゲットとして15~20回以上の反復回数でトレーニングしていくのが一般的です。
クランチの種類とやり方
カールアップクランチ
カールアップクランチは、膝を立てて構えることで腰への負担を軽くした腹筋運動の一種です。通常は手を頭の後ろで組みますが、胸の前やお腹の前で手を組むことで負荷を軽くすることができます。
動作ポイントとして重要なのは、上半身を下ろしたポジションで腰を反らせないこと、反動を使って起き上がらないことで、これらがしっかりとできていないと、腰への負担が大きくなりますので注意してください。
足上げカールアップクランチ
足を上げて行うバリエーションで、通常のやり方よりも負荷が強くなります。
カールアップクランチ&ツイスト
上半身を起こしたポジションで左右に上半身をひねるバリエーションで、腹斜筋にも有効です。
四の字クランチ
足を組んで対角線の膝と肘を合わせるように動作するバリエーションで、腹斜筋にも有効です。
リバースクランチ
リバースクランチは、腰に負担の少ない腹筋運動として知られています。本種目を行う上で大切なポイントは、腰に負担がかからないよう、腰を下ろしたポジションで腰を反らせないようにすることで、このためには臀部に手を置いておくことが有効です。
また、膝を伸ばすと動作途中でも腰が反りやすくなるため、常に膝は曲げた状態を保つようにしてください。
本種目は、負荷が軽めの種目ですので、腹直筋に十分に効かせるためには呼吸にも工夫が必要です。つまり、腰を上げながら息を吐いていき、腰を上げたポジションで息を吐ききり腹直筋を完全収縮させることが大切です。
チューブリバースクランチ
トレーニングチューブの負荷を追加したバリエーションで、通常のやり方よりやや負荷が高くなります。
ダンベルリバースクランチ
ダンベルを足ではさみ、そのウエイトを負荷として追加したバリエーションで、通所のやり方よりもかなり強度が上がり、なおかつダンベルの重量を調整することで負荷設定が可能です。
ウエイテッドカールアップクランチ
胸の前でダンベルやバーベルプレートを保持して行うバリエーションで、通常のやり方よりもかなり高負荷になります。
レッグレイズの種類とやり方
レッグレイズは、足を下ろしたポジションで腰を反らせないこと、反動を使って起き上がらないことで、これらがしっかりとできていないと、腰への負担が大きくなりますので注意してください。
また、足を必要以上に高く上げる必要はなく、床からの角度が45度程度でも十分に負荷が得られます。
なお、セット中に足を床につけないようにすることで、1セットあたりの負荷強度が大幅に向上します。
チューブレッグレイズ
トレーニングチューブを追加負荷に用いたバリエーションで、通常のやり方よりもやや強度が高くなります。
ダンベルレッグレイズ
ダンベルを追加負荷に用いたバリエーションで、通常のやり方よりも強度が高くなります。
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筋トレ情報コーナーについて
当コーナーでは、ジムトレーナーを職業とするメンバーと生物学の専門知識を持つ博物館学芸員のメンバーが共同で執筆・制作した筋肉の構造・作用および筋力トレーニング各種目の解説記事を公開しています。
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