ケーブルローイングの女性に適したやり方を解説するとともに、使用する重さの決め方(負荷重量設定)について、ボディメイク・ダイエットの目的別に適正値を例示します。
ケーブルローイングが有効な筋肉部位
ケーブルローイングは主に広背筋・僧帽筋・脊柱起立筋・上腕二頭筋に有効なトレーニング種目です。
なお、全身の筋肉の名前と作用、それぞれの部位を女性が鍛えるメリットについては下記の記事で詳しく解説しています。
女性がケーブルローイングを行うメリット
背筋群:くびれ作りや美姿勢作りになる
広背筋を鍛えることで、上半身の上部にやや広がりがでます。その結果、相対的に腹部のくびれが強調されるようになります。
僧帽筋を鍛えることで、首の後ろの基礎代謝や血行が向上し、肩こりの解消に効果が期待できます。
脊柱起立筋を鍛えることで、背すじの伸びた美しい姿勢に近づきます。
上腕二頭筋:二の腕にしなやか感がでる
上腕二頭筋を鍛えることで、二の腕前側にハリができ、これにより女性らしいしなやか感が期待できます。
ケーブルローイングの女性向きのやり方
ケーブルローイングは、腕を伸ばしたスタートポジションで肩甲骨を開放し、腕を引き寄せたフィニッシュポジションで肩甲骨を寄せきり背筋群を完全収縮させることが大切です。
また、背中が丸まらないようにすることも重要で、このためには視線を上方に置くことが有効です。
なお、女性の場合は狭い手幅で背中の中央部をターゲットにするナローグリップ(パラレルグリップ)ケーブルローイングを行うのが主流です。
ケーブルローイングのバリエーション
ナローグリップケーブルローイング
パラレルアタッチメントを用い、狭い手幅でパラレルグリップ(手の平が向き合う握り方)で行うバリエーションで、広背筋中央部と僧帽筋・脊柱起立筋・上腕二頭筋に負荷がかかります。
ワイドグリップケーブルローイング
肩幅よりも広い手幅でノーマルグリップ(手の甲が上になる握り方)で行うバリエーションで、広背筋側部と僧帽筋・脊柱起立筋・上腕二頭筋に負荷がかかります。
リバースグリップケーブルローイング
狭い手幅でリバースグリップ(手の平が上になる握り方)で行うバリエーションで、広背筋中央部と僧帽筋・脊柱起立筋・上腕二頭筋に負荷がかかります。
ケーブルローイングの目的別(ボディメイク・ダイエット)の重さの決め方
筋力トレーニングの対象となる骨格筋は、筋繊維が束状になって構成されていますが、その筋繊維には大きく「遅筋」と「速筋」があり、速筋は「速筋繊維Ⅱa」と「速筋繊維Ⅱb」に分けられます。それぞれの特性と筋力トレーニングでの負荷設定は以下の通りです。
遅筋(遅筋繊維Ⅰ)
持久的な運動において持続的な遅い収縮(Slow)をし、酸素(Oxygen)を消費することからSO筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えてもほとんど筋肥大しません。陸上競技で例えるなら、長距離走に必要な筋肉です。
筋力トレーニングでは20レップス以上の反復回数で挙上限界がくるような、低負荷設定で鍛えます。
速筋(速筋繊維Ⅱa)
持久要素のある瞬発的な動作において速い収縮(Fast)をし、酸素(Oxygen)を消費することからFO筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えると筋肥大します。陸上競技で例えるなら、400~800m走に必要な筋肉です。
筋力トレーニングでは12~15レップスの反復回数で挙上限界がくるような、中負荷設定で鍛えます。
速筋(速筋繊維Ⅱb)
瞬発的な運動において爆発的な速い収縮(Fast)をし、グリコーゲン(Glycogen)を消費することからFG筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えると強く筋肥大します。陸上競技で例えるなら、100~200m走に必要な筋肉です。
筋力トレーニングでは6~10レップスの反復回数で挙上限界がくるような、高負荷設定で鍛えます。
女性トレーニングの重さの決め方
これら、3種類の筋肉の特性を考慮し、女性のボディメイクおよびダイエットに適切な重さの決め方(負荷回数設定)は次の通りです。
ボディメイクなら1セット15回で実施する
筋肉をおだやかにボリュームアップしたいボディメイクトレーニングの場合、速筋(速筋繊維Ⅱa)をターゲットにして「1セット15回で限界が来る重さ」で負荷を設定して行います。
ダイエットなら1セット20回で実施する
筋肉を筋肥大させずに刺激したいダイエットトレーニングの場合、遅筋(遅筋繊維Ⅰ)をターゲットにして「1セット20回で限界が来る重さ」で負荷を設定して行います。
具体的な筋トレメニュー例
女性のダイエット筋トレの具体的な実施例については下記の記事をご参照ください。
女性のための週三回のダイエット筋トレメニュー例(自宅・ジム別)
ダイエット筋トレの食事メニュー例
ダイエット筋トレのための食事の基礎知識と適切な食事メニュー例は下記の記事をご参照ください。
女性のダイエット筋トレ向き食事メニュー(具体的レシピ例)
筋トレ情報コーナーについて
当コーナーでは、ジムトレーナーを職業とするメンバーと生物学の専門知識を持つ博物館学芸員のメンバーが共同で執筆・制作した筋肉の構造・作用および筋力トレーニング各種目の解説記事を公開しています。
筋トレ情報コーナースポンサー様
当コーナーでは、以下の協賛企業様よりトレーニング関係の画像および知見などを提供していただいています。トレーニング効果を高めるさまざまなグッズ類は下記のリンク先をご参照ください。