マシンチェストフライの女性に適したやり方を解説するとともに、使用する重さの決め方(負荷重量設定)について、ボディメイク・ダイエットの目的別に適正値を例示します。
マシンチェストフライが有効な筋肉部位
マシンチェストフライは主に大胸筋内側に有効なトレーニング種目です。
なお、全身の筋肉の名前と作用、それぞれの部位を女性が鍛えるメリットについては下記の記事で詳しく解説しています。
女性がマシンチェストフライを行うメリット
胸周りのボリュームアップにつながる
大胸筋をトレーニングすることで、胸周りの土台部分のボリュームが増します。ただし、ダイエットと並行して行うとバストのボリューム自体は下がります。
マシンチェストフライの女性向きのやり方
マシンチェストフライは、肩甲骨をしっかりと寄せたまま動作を行うことが大切で、肩甲骨の寄せ方が不完全であったり、途中で緩んでしまうと肩関節に負担がかかりますので注意してください。
女性の場合は、大胸筋上部内側をターゲットにして斜め上方へ腕を閉じる軌道のインクラインマシンチェストフライを行うのが一般的です。
マシンチェストフライのバリエーション
インクラインマシンチェストフライ
斜め上方に腕を閉じる軌道で行うバリエーションで、大胸筋の上部内側に集中的な負荷が加わります。
デクラインマシンチェストフライ
斜め下方に腕を閉じる軌道で行うバリエーションで、大胸筋の下部内側に集中的な負荷が加わります。
ケーブルチェストフライ
ケーブルマシンを用いて行うバリエーションで、通常のチェストフライマシンに比べて軌道がフレキシブルで、細かな部位設定ができることがメリットです。
反面、軌道が固定されていないため慣れが必要で、やや上級者向きのやり方です。
マシンチェストフライの目的別(ボディメイク・ダイエット)の重さの決め方
筋力トレーニングの対象となる骨格筋は、筋繊維が束状になって構成されていますが、その筋繊維には大きく「遅筋」と「速筋」があり、速筋は「速筋繊維Ⅱa」と「速筋繊維Ⅱb」に分けられます。それぞれの特性と筋力トレーニングでの負荷設定は以下の通りです。
遅筋(遅筋繊維Ⅰ)
持久的な運動において持続的な遅い収縮(Slow)をし、酸素(Oxygen)を消費することからSO筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えてもほとんど筋肥大しません。陸上競技で例えるなら、長距離走に必要な筋肉です。
筋力トレーニングでは20レップス以上の反復回数で挙上限界がくるような、低負荷設定で鍛えます。
速筋(速筋繊維Ⅱa)
持久要素のある瞬発的な動作において速い収縮(Fast)をし、酸素(Oxygen)を消費することからFO筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えると筋肥大します。陸上競技で例えるなら、400~800m走に必要な筋肉です。
筋力トレーニングでは12~15レップスの反復回数で挙上限界がくるような、中負荷設定で鍛えます。
速筋(速筋繊維Ⅱb)
瞬発的な運動において爆発的な速い収縮(Fast)をし、グリコーゲン(Glycogen)を消費することからFG筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えると強く筋肥大します。陸上競技で例えるなら、100~200m走に必要な筋肉です。
筋力トレーニングでは6~10レップスの反復回数で挙上限界がくるような、高負荷設定で鍛えます。
女性トレーニングの重さの決め方
これら、3種類の筋肉の特性を考慮し、女性のボディメイクおよびダイエットに適切な重さの決め方(負荷回数設定)は次の通りです。
ボディメイクなら1セット15回で実施する
筋肉をおだやかにボリュームアップしたいボディメイクトレーニングの場合、速筋(速筋繊維Ⅱa)をターゲットにして「1セット15回で限界が来る重さ」で負荷を設定して行います。
ダイエットなら1セット20回で実施する
筋肉を筋肥大させずに刺激したいダイエットトレーニングの場合、遅筋(遅筋繊維Ⅰ)をターゲットにして「1セット20回で限界が来る重さ」で負荷を設定して行います。
具体的な筋トレメニュー例
女性のダイエット筋トレの具体的な実施例については下記の記事をご参照ください。
女性のための週三回のダイエット筋トレメニュー例(自宅・ジム別)
ダイエット筋トレの食事メニュー例
ダイエット筋トレのための食事の基礎知識と適切な食事メニュー例は下記の記事をご参照ください。
女性のダイエット筋トレ向き食事メニュー(具体的レシピ例)
筋トレ情報コーナーについて
当コーナーでは、ジムトレーナーを職業とするメンバーと生物学の専門知識を持つ博物館学芸員のメンバーが共同で執筆・制作した筋肉の構造・作用および筋力トレーニング各種目の解説記事を公開しています。
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