下半身のダンベルトレーニング種目のなかから、女性向きの太もも・内もも・裏ももに有効なメニューを選定して解説します。
下半身を構成する主な筋肉
下半身を構成する筋肉には、大腿四頭筋(太もも前側)・ハムストリングス(太もも後ろ側)・内転筋群(太もも内側)・臀筋群(お尻)・下腿三頭筋(ふくらはぎ)などがから構成されています。
また、それぞれの筋肉の主な作用は以下の通りです。
大腿四頭筋:膝を伸ばす
ハムストリングス:膝を曲げる
内転勤群:脚を閉じる
臀筋群:脚を後ろに上げる
下腿三頭筋:足首を伸ばす
女性が下半身を鍛えるメリット
しなやか感とハリが出る
大腿四頭筋を鍛えることで、太もも前側にハリが出て、しなやかで女性らしい脚周りの印象になります。
ハムストリングスを鍛えることで、協働する臀筋群も鍛えられ、結果としてヒップアップにつながります。
内転筋群を鍛えることで、内もものたるみ感が減少し、ハリのある女性らしい脚の印象に近づきます。
女性筋トレの負荷回数設定
筋力トレーニングの対象となる骨格筋は、筋繊維が束状になって構成されていますが、その筋繊維には大きく「遅筋」と「速筋」があり、速筋は「速筋繊維Ⅱa」と「速筋繊維Ⅱb」に分けられます。それぞれの特性と筋力トレーニングでの負荷設定は以下の通りです。
遅筋(遅筋繊維Ⅰ)
持久的な運動において持続的な遅い収縮(Slow)をし、酸素(Oxygen)を消費することからSO筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えてもほとんど筋肥大しません。陸上競技で例えるなら、長距離走に必要な筋肉です。
筋力トレーニングでは20レップス以上の反復回数で挙上限界がくるような、低負荷設定で鍛えます。
速筋(速筋繊維Ⅱa)
持久要素のある瞬発的な動作において速い収縮(Fast)をし、酸素(Oxygen)を消費することからFO筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えると筋肥大します。陸上競技で例えるなら、400~800m走に必要な筋肉です。
筋力トレーニングでは12~15レップスの反復回数で挙上限界がくるような、中負荷設定で鍛えます。
速筋(速筋繊維Ⅱb)
瞬発的な運動において爆発的な速い収縮(Fast)をし、グリコーゲン(Glycogen)を消費することからFG筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えると強く筋肥大します。陸上競技で例えるなら、100~200m走に必要な筋肉です。
筋力トレーニングでは6~10レップスの反復回数で挙上限界がくるような、高負荷設定で鍛えます。
女性トレーニングの重さの決め方
ボディメイクなら1セット15回で実施する
筋肉をおだやかにボリュームアップしたいボディメイクトレーニングの場合、速筋(速筋繊維Ⅱa)をターゲットにして「1セット15回で限界が来る重さ」で負荷を設定して行います。
ダイエットなら1セット20回で実施する
筋肉を筋肥大させずに刺激したいダイエットトレーニングの場合、遅筋(遅筋繊維Ⅰ)をターゲットにして「1セット20回で限界が来る重さ」で負荷を設定して行います。
ダンベルスクワットのやり方
ダンベルスクワットは、膝関節を保護するためにも「膝をつま先よりも前に出さない」ことが大切です。このためには、椅子に座る要領で、やや斜め後ろに腰を下ろすことが有効です。
また、負荷を下半身に集中させるとともに、腰痛リスクを避けるために背中が丸まらないようにすることも重要で、このためには胸を張り、視線を上方に置くことが有効です。
なお、腰を下ろす深さは、太ももが床と平行になる高さを目安とするとよいでしょう。
ダンベルブルガリアンスクワットのやり方
ダンベルブルガリアンスクワット(ワンレッグスクワット)は、下半身後ろ側に負荷をかけられるスクワットのバリエーションで、特に後ろに置いた脚を主働にして動作を行うことで、ハムストリングスや臀筋群に有効です。
ダンベルワイドスクワットのやり方
ダンベルワイドスクワットは、大きく足幅を開いて行うダンベルスクワットのバリエーションで、特に内転筋群に強い負荷を加えることが可能です。
ダンベルフロントランジのやり方
ダンベルフロントランジは、ブルガリアンスクワットが強度的にこなせない初心者や女性に有効なスクワットバリエーションです。後ろにした脚に意識を置いて主働させることで、より下半身後面への負荷が高まります。
ダンベルサイドランジのやり方
ダンベルサイドランジは、内ももの筋肉・内転筋群に効果の高いスクワットバリエーションです。特に内転筋群に負荷を集中させたい場合は、伸ばしたほうの脚を主働にし、その脚で身体全体を引き寄せるように動作を行います。
ダンベルレッグエクステンションのやり方
ダンベルレッグエクステンションは、大腿四頭筋に集中的な負荷を加えられる単関節種目で、下半身トレーニングの終盤に仕上げトレーニングとして行うのに適しています。
ダンベルレッグカールのやり方
ダンベルレッグカールは、ハムストリングスに集中的な負荷を加えられる単関節種目で、下半身トレーニングの終盤に仕上げトレーニングとして行うのに適しています。
ダンベルの種類と特徴
ダンベルにはアイアンダンベル・ラバーダンベル・クロームダンベル・アーミーダンベル・アジャスタブルダンベルなど多くの種類があり、トレーニング目的に応じて適切なタイプを選択することが大切です。
女性の自宅ダイエットトレーニング
女性の自宅ダイエットトレーニングの1週間のメニュープログラムの組み方は、下記の記事をご参照ください。
ダイエット運動の種類と消費カロリー
ダイエット運動の種類と消費カロリー|おすすめの家で痩せる筋トレ&有酸素エクササイズ
有酸素運動とは?エネルギー消費の仕組み|主な種類の消費カロリー
女性が確実に痩せるには筋トレだけで可能|有酸素運動とのダイエット効果比較
女性の自宅体幹トレーニング
女性の簡単自宅体幹トレーニング|インナーマッスルを鍛えるダイエット方法
バランスボールトレーニング
バランスボールの使い方|自宅で簡単にできる体幹トレーニングのやり方
筋力トレーニングの効果が出る期間
下記の記事では、筋力トレーニングの効果とその成果が出るまでの期間について、女性のダイエットトレーニングのケースで解説しています。
筋力トレーニングと体重
ダイエットと言えば、どうしても気にしてしまうのが体重ですが、これは筋力トレーニングによるダイエットとは相反する場合があります。
それは、単位体積あたりの筋肉と脂肪の重量差に起因していますが、詳しくは下記の記事で解説しています。
ダイエット筋トレの食事メニュー例
ダイエット筋トレのための食事の基礎知識と適切な食事メニュー例は下記の記事をご参照ください。
女性のダイエット筋トレ向き食事メニュー(具体的レシピ例)
筋トレ情報コーナーについて
当コーナーでは、ジムトレーナーを職業とするメンバーと生物学の専門知識を持つ博物館学芸員のメンバーが共同で執筆・制作した筋肉の構造・作用および筋力トレーニング各種目の解説記事を公開しています。
筋トレ情報コーナースポンサー様
当コーナーでは、以下の協賛企業様よりトレーニング関係の画像および知見などを提供していただいています。トレーニング効果を高めるさまざまなグッズ類は下記のリンク先をご参照ください。