ジムに入会した初心者の方がよく悩むのが「筋トレの順番」です。結論を言えば、複合関節運動(コンパウンド種目)→単関節運動(アイソレーション種目)、高負荷高重量種目→低負荷低重量種目、大きな筋肉の種目→小さな筋肉の種目、となりますが、おそらくこれではピンとこないでしょう。
そこで、それぞれの種目で順番がある理由を詳しく解説するとともに、鍛える筋肉の部位別のマシントレーニングにおいて、筋トレ効果を最大限高める具体的な順番をご紹介します。
複合関節運動から単関節運動へ
人間の筋肉(骨格筋)は関節をまたいで存在しており、筋肉が収縮することで関節を屈曲させたり伸展させたりしています。関節を伸展させる動作=運動・筋トレ種目には、複数の関節と筋肉を動かす複合関節運動(コンパウンド種目)と単一の関節と筋肉だけを動かす単関節運動(アイソレーション種目)とがあります。
具体例をあげると、腕立て伏せは肩関節と肘関節および大胸筋・三角筋・上腕三頭筋を動かす複合関節運動(コンパウンド種目)になり、アームカールは肘関節と上腕二頭筋だけを動かす単関節運動(アイソレーション種目)となります。
トレーニングにおいて、先に単関節運動(アイソレーション種目)を行ってしまうと、特定の筋肉の筋力だけが低下してしまい、複合関節運動(コンパウンド種目)で最高のパフォーマンスを発揮することができなくなります。このため、まずは複合関節運動(コンパウンド種目)で複数の筋肉を鍛え、その後に単関節運動(アイソレーション種目)で個別に筋肉を追い込むのが正しい順番です。
なお、中級者以降のトレーニングテクニックとして、あえて特定の筋肉の単関節運動(アイソレーション種目)を先に行う予備疲労法というメソッドもありますが、それに関しては下記の記事をご参照ください。
高重量種目から低重量種目へ
筋トレの正しい順番として、複合関節運動と単関節運動の順番に加えて、高重量種目から低重量種目の順番に行うということもあります。こちらも具体的な例をあげると、同じ複合関節運動でもダンベルプレスより先にベンチプレスを、単関節運動でもリバースカールよりもノーマルカールを先に行うといったものです。
これは、高重量トレーニングのほうがより筋トレ効果が高い(特に筋肥大に対して)ことが理由です。
大きな筋肉から小さな筋肉へ
筋トレの順番として覚えておくべき上記以外の要素として、大きい筋肉から小さい筋肉の順番に鍛えるということもあります。
これは大きな筋肉のトレーニングのほうが、よりグリコーゲン消費が多いので、まず優先して行わなくてはいけないからです。小さな筋肉の筋トレならば、トレーニング途中の栄養補給でもエネルギーをまかなうことができます。
具体的には、全身を一日で鍛えるならば下半身→背筋→胸筋→肩・腕、上半身を一日で鍛えるなら背筋→胸筋→肩・腕、上半身の押す筋肉を一日で鍛えるのなら大胸筋→三角筋→上腕三頭筋、上半身の引く筋肉を一日で鍛えるのなら広背筋→僧帽筋→上腕二頭筋、下半身を一日で鍛えるのなら大腿四頭筋→ハムストリングス→下腿三頭筋といった順番です。
それでは、次の項目では今回の主題であるジムでのマシン筋トレの具体的で正しい順番をご紹介します。なお、最も効率的とされる「上半身の押す筋トレの日」「上半身の引く筋トレの日」「下半身の筋トレの日」の三分割スプリットメニューで例示していきます。
上半身の押す筋肉グループのマシントレーニングの順番
上半身の押す筋肉のマシントレーニングでは、以下の順番で行うのが一般的に正しい順番です。
①スミスマシンベンチプレス・マシンチェストプレスなど大胸筋・三角筋・上腕三頭筋の三つの筋肉を使う複合関節種目
②マシンショルダープレス(三角筋と上腕三頭筋)・スミスマシンナロープレス(大胸筋と上腕三頭筋)など二つの筋肉を使う複合関節種目
③マシンチェストフライ・ケーブルフライなど大きな筋肉=大胸筋を使う単関節種目
④ケーブルプレスダウン・ケーブルサイドレイズなど小さな筋肉=三角筋・上腕三頭筋を使う単関節種目
上半身の引く筋肉のマシントレーニングの順番
上半身の引く筋肉のマシントレーニングでは、以下の順番で行うのが一般的に正しい順番です。
①スミスマシンデッドリフト・Tバーローイングなど広背筋・僧帽筋・上腕二頭筋の三つの筋肉を使う高重量複合関節種目
②ケーブルラットプルダウン・ケーブルローイングなど広背筋・僧帽筋・上腕二頭筋の三つの筋肉を使う低重量複合関節種目
③ケーブルショルダーシュラッグ(僧帽筋)などの高重量単関節種目
④マシンカール・ケーブルカール(上腕二頭筋)などの低重量単関節運動
下半身の筋肉グループのマシントレーニングの順番
①スミスマシンスクワット・マシンレッグプレスなど大腿四頭筋・ハムストリングス・下腿三頭筋の三つの筋肉を使う複合関節種目
②マシンレッグエクステンション(大腿四頭筋)・マシンレッグカール(ハムストリングス)など大きな筋肉の単関節種目
③マシンアダクション・ケーブルアダクション(内転筋群)などインナーマッスルの単関節種目
筋力トレーニングと食事の基礎知識
筋力トレーニングを実施したら、そこで満足して終わるのではなく、トレーニング効果を最大限高める食事・栄養摂取をする必要があります。
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