自重トレーニングの1セットの回数は何回が適切か?というのは多い質問ですが、その答は筋トレをする目的が筋肥大なのかダイエットなのかによって変わります。それは、目的によって鍛える対象となる筋繊維が異なるからなのですが、これらについて詳しく解説します。
筋繊維の種類とは
速筋TYPE2a・速筋TYPE2b・持久筋TYPE1の三種類がある
筋力トレーニングの対象となる骨格筋は、筋繊維が束状になって構成されていますが、その筋繊維には大きく「遅筋」と「速筋」があり、速筋は「速筋繊維Ⅱa」と「速筋繊維Ⅱb」に分けられます。それぞれの特性と筋力トレーニングでの負荷設定は以下の通りです。
遅筋(遅筋繊維Ⅰ)
持久的な運動において持続的な遅い収縮(Slow)をし、酸素(Oxygen)を消費することからSO筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えてもほとんど筋肥大しません。陸上競技で例えるなら、長距離走に必要な筋肉です。
筋力トレーニングでは20レップス以上の反復回数で挙上限界がくるような、低負荷設定で鍛えます。
速筋(速筋繊維Ⅱa)
持久要素のある瞬発的な動作において速い収縮(Fast)をし、酸素(Oxygen)を消費することからFO筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えると筋肥大します。陸上競技で例えるなら、400~800m走に必要な筋肉です。
筋力トレーニングでは12~15レップスの反復回数で挙上限界がくるような、中負荷設定で鍛えます。
速筋(速筋繊維Ⅱb)
瞬発的な運動において爆発的な速い収縮(Fast)をし、グリコーゲン(Glycogen)を消費することからFG筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えると強く筋肥大します。陸上競技で例えるなら、100~200m走に必要な筋肉です。
筋力トレーニングでは6~10レップスの反復回数で挙上限界がくるような、高負荷設定で鍛えます。
筋肥大なら10回前後・ダイエットなら20回前後
これら。筋繊維の特性を踏まえ、筋肥大トレーニングにおいては10回前後の反復回数、ダイエットトレーニングにおいては20回前後の反復回数が適正であると言えます。
厚生労働省による記載
骨格筋を構成している筋繊維には大きく分けて速筋と遅筋の2種類があります。速筋は白っぽいため白筋とも呼ばれます。収縮スピードが速く、瞬間的に大きな力を出すことができますが、長時間収縮を維持することができず張力が低下してしまいます。老化が早く、20歳前後から急速に衰えるといわれています。遅筋は赤みがかった色から赤筋とも呼ばれます。収縮のスピードは比較的遅く、大きな力を出すことはできませんが、疲れにくく長時間にわたって一定の張力を維持することができます。年齢を重ねても衰えにくいといわれています。骨格筋の収縮は、筋繊維の中にあるアデノシン三リン酸(ATP)と呼ばれる化合物が分解してリン酸基がひとつはずれ、アデノシン二リン(ADP)になるときに発生するエネルギーを利用しています。
Wikipediaによる記載
筋線維には大きく2種類あり、ミトコンドリアに富んで酸素を利用した持続的な収縮の可能な遅筋線維(Type 1、赤筋、色の原因は、酸素結合性タンパク質、ミオグロビンである)と、ミトコンドリアは比較的少なく解糖系による瞬発的な収縮の可能な速筋線維(Type 2、白筋)にわけられる。速筋線維の中でもやや持続的収縮に向いたものはType 2a、そうでないものはType 2X、Type 2bとさらに細分される。なお、遅筋線維、速筋線維はそれぞれ遅筋、速筋と呼ばれることが多い。さらには、両者の性質を備えた中間筋の存在も認められている。
筋肥大自重トレーニングの負荷調整方法
リュック・ダンベル・チューブなどを併用する
実際に目的にあわせて自重トレーニングの負荷・回数設定をする場合、問題となってくるのは筋肥大のための高負荷化です。他の目的での15回や20回以上の回数設定ならば、動作スピードをゆっくりすることでほぼ解決します。
筋肥大目的での自重トレーニングで、10回前後で限界がくる負荷にするためには動作をゆっくりするだけでなく、以下のように負荷を強化する必要があります。
①リュックなどに重りを入れて自重を重くする
②ダンベルを保持して自重を重くする
③トレーニングチューブを併用して負荷抵抗を高める
④より強度の高い種目を行う
スロートレーニングも有効
自重トレーニングの負荷を高めるために有効な方法として、動作自体をゆっくりと行うスロートレーニングも知られています。
厚生労働省による記載
スロートレーニングとは、筋肉の発揮張力を維持しながらゆっくりと動作するレジスタンス運動のひとつの方法です。比較的軽めの負荷であっても、ゆっくりと動作することで大きな筋肥大・筋力増強効果を得ることができます。関節や筋肉にかかる負荷が小さいことから、安全に行える有効なレジスタンス運動として期待されています。
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