筋肉痛になりにくいとされ、技術練習と筋力トレーニングを並行して行う必要があるスポーツ競技選手に多く実施されている、コンセントリック収縮(短縮性収縮)の特性について解説します。
コンセントリック収縮とは?
コンセントリック収縮(短縮性収縮)とは、筋肉の収縮方向に対し能動的に筋肉が縮むように力を加えるトレーニング方法で、ウエイトを持ち上げる、引き上げる、押し上げるといった動作がこれにあたります。
筋力トレーニングを実施すると、多くの場合は筋肉痛になりますが、厳密に分類するとこのような筋肉痛は遅発性筋肉痛(DOMS:Delayed onset muscle soreness)となります。
そして、このDOMSを引き起こしにくいとされるのがコンセントリック収縮で、競技の実技練習の妨げとならないように筋力トレーニングを実施したいスポーツ選手に多く採用されています。
※筋肉痛のメカニズムは現在でも完全に解明されていません。
DOMSの主原因となる運動は、筋肉が収縮方向とは逆方向に引きのばされながら力を発揮(伸張性収縮、或いはエキセントリック収縮)する運動である。筋肉を収縮させながら力を発揮(短縮性収縮、或いはコンセントリック収縮)する運動ではほとんどDOMSが生じない。
例として、筋力トレーニングにおけるベンチプレス運動を大胸筋の視点からみたとき、バーベルやダンベルを挙上していく動きが「短縮性収縮」、下ろしていく動きが「伸張性収縮」となり、この場合は器具の重量に抵抗しながらゆっくりと下ろす動きが大胸筋の筋肉痛を生む主要因になる。
コンセントリック収縮トレーニングのやり方
一般的なウエイトトレーニングでは、ウエイトを元に戻す動作のときに、筋力でコントロールしながらゆっくりと「効かせる」動作を行いますが、これをネガティブトレーニングと言います。
コンセントリック収縮トレーニングでは、このネガティブ動作を行わず、すみやかにウエイトを元に戻す動作を行うことで、エキセントリック収縮(伸張性収縮)がおこらないようにします。