背筋群の筋力トレーニング方法を、自重トレーニング・チューブトレーニング・ダンベルトレーニング・マシントレーニング・バーベルトレーニングから、筋肉部位別(広背筋・僧帽筋・脊柱起立筋)に解説します。
背筋群の構造と作用
背筋群には広背筋・僧帽筋などがあり、その作用は以下の通りです。
広背筋
広背筋は、トレーニングにおいては腕を上や前から引き寄せる動作に関わります。
なお、厳密には肩関節の内転・内旋・伸展および体幹の伸展・回旋の作用を持ちます。
また、広背筋は、第6胸椎よりしたの脊椎骨棘突起、骨盤の一部である腸骨の上辺、肩甲骨の下端を起始し、上腕骨上部の前側に停止し、支配神経は胸背神経です。
▼詳しい解説
僧帽筋
僧帽筋は、トレーニングにおいては肩甲骨を引き寄せる動作に関わります。
なお、厳密には、上部筋繊維は肩甲骨を斜め上方(首の方向)へ、中部筋繊維は肩甲骨を中央(背骨の方向)へ、下部筋繊維は肩甲骨を斜め下方(腰の方向)へ引き寄せる作用があります。
また、僧帽筋は首の付け根から胸椎にかけての棘突起に起始し、鎖骨外側と肩甲骨に停止し、支配神経は副神経外枝および頚神経叢筋枝です。
▼詳しい解説
脊柱起立筋
脊柱起立筋は、トレーニングにおいては体幹を伸展させ姿勢を維持する動作に関わります。
脊柱起立筋は、腸肋筋3種・最長筋3種・棘筋3種の計9種類の筋肉から構成され、脊椎の後屈・側屈作用(背すじを伸ばす・背すじを横に倒す動作)があります。
▼詳しい解説
このほかにも、大円筋・菱形筋などが筋力トレーニングの対象となります。なお、脊柱起立筋・大円筋・菱形筋に関しては、広背筋と僧帽筋のトレーニングのなかで同時に鍛えられます。
さらに詳しい筋肉の情報
筋肉の名前(読み方)と作用|部位詳細・英語名称・ラテン名・起始停止なども解説
筋力トレーニングの種類と特性
1.自重トレーニング
自重トレーニングはよく「ウエイトトレーニングではない」と誤解され、そのため「毎日実施してもよい」などと言われますが、正式には”Self Weight Training”、つまりセルフウエイトトレーニングと呼ばれる自身の体重を負荷ウエイトに使うウエイトトレーニングの一種です。このため、他のウエイトトレーニングに準じ、超回復理論にのっとりプログラムを組んでいく必要があります。
なお、自重トレーニングは筋力トレーニングに初めて取り組む方にとっては手軽で、トレーニング入門には適切な方法ですが、ダンベルやバーベルを使ったフリーウエイトトレーニングほどの高負荷トレーニングは不可能ですので、本格的に身体作りを行いたい場合は、やはりフリーウエイトトレーニングを習得・実施していく必要があります。
2.チューブトレーニング
チューブトレーニングは、それ単体では筋肉に高負荷をかけることは難しいですが、自重トレーニングの後に仕上げで行ったり、他のトレーニング方法と組み合わせることで高い負荷を筋肉に加えることが可能です。
3.ダンベルトレーニング
ダンベルトレーニングは、フリーウエイトトレーニングの入門として自宅で行うこともできる方法です。複数の関節と筋肉を同時に動かす「複合関節運動|コンパウンド種目」しかない自重トレーニングに対し、単一の筋肉だけを集中的に鍛えられる「単関節運動|アイソレーション種目」が豊富なことが特徴です。
このように、ダンベルトレーニングは自重トレーニングから一歩進んだ自宅でのトレーニング方法として有効です。また、筋肉の稼動域が広いのもメリットで、ジムでのマシンやバーベルを使ったトレーニングの仕上げとしても最適です。
なお、ウエイトを片手で保持することから、同じフリーウエイトトレーニングのバーベルトレーニングに比べると高重量を扱えないというデメリットがあります。
4.マシーントレーニング
一般的なケースとして、自宅での自重トレーニング・ダンベルトレーニングを経験し、さらにレベルの高いトレーニングを目指してジムに通うようになった方が、最初に実施するのがマシントレーニングです。
マシントレーニングは動作起動がマシンによって支えられているため、初心者の方でも比較的簡単に高負荷トレーニングを実施できるのがメリットです。しかしながら、反面、動作起動のブレを止めるための体幹インナーマッスルが鍛えにくいというデメリットがあります。
ですので、最終的には高負荷かつ同時にインナーマッスルも強化できるバーベルトレーニングを中心に、補助的にマシントレーニングやダンベルトレーニングを行っていくのが、ジムにおける本格的な筋力トレーニングの在り方です。
5.バーベルトレーニング
全てのウエイトトレーニングの基礎となり、また、もっとも効果の高い筋力トレーニングがバーベルトレーニングです。両手でウエイトを扱うため高重量が扱いやすく、動作起動が完全に自身で制御できるため個人の特性に合わせたトレーニングの実施が可能です。
反面、動作フォームなど技術の習得が必要となり、専門家の指導下で実施することが必要になります。
また、バーベルトレーニングのなかでも「BIG3」と呼ばれるバーベルベンチプレス・バーベルデッドリフト・バーベルスクワットは、この3種目だけ実施していっても十分に全身の筋肉が強化できるとされています。
なお、パワーリフティング競技の3種目は、このバーベルベンチプレス・バーベルデッドリフト・バーベルスクワットの挙上重量によって競われます。
厚生労働省によるレジスタンス運動に関する記載
スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操などの標的とする筋肉に抵抗(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言います。レジスタンス運動にはダンベルやマシンなどの器具を用いて行う方法と、スクワットや腕立て伏せのように自体重を利用して行う方法があります。
引用:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-058.html
筋トレ目的別の重さと回数の決め方
筋力トレーニングの対象となる骨格筋は、筋繊維が束状になって構成されていますが、その筋繊維には大きく「遅筋」と「速筋」があり、速筋は「速筋繊維Ⅱa」と「速筋繊維Ⅱb」に分けられます。それぞれの特性と筋力トレーニングでの負荷設定は以下の通りです。
遅筋(遅筋繊維Ⅰ)
持久的な運動において持続的な遅い収縮(Slow)をし、酸素(Oxygen)を消費することからSO筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えてもほとんど筋肥大しません。陸上競技で例えるなら、長距離走に必要な筋肉です。
筋力トレーニングでは20レップス以上の反復回数で挙上限界がくるような、低負荷設定で鍛えます。
速筋(速筋繊維Ⅱa)
持久要素のある瞬発的な動作において速い収縮(Fast)をし、酸素(Oxygen)を消費することからFO筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えると筋肥大します。陸上競技で例えるなら、400~800m走に必要な筋肉です。
筋力トレーニングでは12~15レップスの反復回数で挙上限界がくるような、中負荷設定で鍛えます。
速筋(速筋繊維Ⅱb)
瞬発的な運動において爆発的な速い収縮(Fast)をし、グリコーゲン(Glycogen)を消費することからFG筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えると強く筋肥大します。陸上競技で例えるなら、100~200m走に必要な筋肉です。
筋力トレーニングでは6~10レップスの反復回数で挙上限界がくるような、高負荷設定で鍛えます。
厚生労働省による筋繊維に関する記載
骨格筋を構成している筋繊維には大きく分けて速筋と遅筋の2種類があります。速筋は白っぽいため白筋とも呼ばれます。収縮スピードが速く、瞬間的に大きな力を出すことができますが、長時間収縮を維持することができず張力が低下してしまいます。遅筋は赤みがかった色から赤筋とも呼ばれます。収縮のスピードは比較的遅く、大きな力を出すことはできませんが、疲れにくく長時間にわたって一定の張力を維持することができます。
引用:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-026.html
背筋群の自重トレーニング
順手懸垂|プルアップ(広背筋)
順手懸垂(プルアップ)は、広背筋・僧帽筋・上腕二頭筋など上半身の引く動作の筋肉に広く有効ですが、なかでも広背筋側部に強い負荷がかかります。
一般的な懸垂運動のイメージとしては、「バーから顎を出して一回」というものがありますが、筋力トレーニングとしての懸垂の場合は、その意識は必要ありません。
バーより上に顎を出そうとすると、どうしても背中が丸まり、背筋群のために必要な「肩甲骨を寄せて筋肉を完全収縮させる」という動作の妨げになります。
ですので、背筋群トレーニングとして行う懸垂では、胸をバーにつけにいくイメージで動作を行い、肩甲骨の引き寄せと背筋群の完全収縮を最優先させてください。
斜め懸垂|インバーテッドロー(背筋群低強度)
順手懸垂はかなり負荷の高い自重トレーニングであり、筋力トレーニングとして有効な回数、すなわち5~6回以上の反復ができない人も少なくありません。
特にトレーニング初心者や女性では、懸垂が一回以上できないことがほとんどです。
懸垂ができない、または必要回数の反復ができないという人は、まず斜め懸垂(インバーテッドロー)から背筋トレーニングを始めるとよいでしょう。
動作の基本はノーマル懸垂と同じで、胸をバーにつけにいくイメージで身体を引き寄せ、肩甲骨を寄せきって背筋群を完全収縮させるようにしてください。
僧帽筋・広背筋中部に有効な懸垂
パラレル懸垂(僧帽筋)
狭い手幅で行うパラレル懸垂は、背筋群のなかでも僧帽筋と広背筋中部に高い負荷のかかるバリエーションです。
ノーマル懸垂同様、しっかりと肩甲骨を寄せることを最優先して動作を行ってください。
背筋群のチューブトレーニング
チューブデッドリフト(背筋群全体)
チューブデッドリフトは背筋群全体に負荷がかかる、基本とも言える種目です。
背中が丸くならないよう胸を張り、やや目線を上げて動作を行うことがポイントです。
チューブショルダーシュラッグ(僧帽筋)
チューブショルダーシュラッグは僧帽筋に集中的な負荷がかかります。
肘関節は伸ばしたまま、肩甲骨を寄せる動きに専念して実施してください。
チューブローイング(広背筋中央部)
チューブローイングは背筋群全体に負荷のかかる種目です。
上半身を倒しすぎないように留意し、トレーニングを実施してください。
チューブラットプル(広背筋側部)
チューブラットプルダウンは広背筋のなかでも側部に負荷のかかる種目です。
腕を引き終えた後に、しっかりと肩甲骨を寄せて広背筋を収縮させることがポイントです。
チューブリバースフライ(背筋上部)
チューブリバースフライは広背筋のなかでも中央部に負荷のかかる種目です。
上半身を反らせないよに気をつけ、肩甲骨を寄せる動作に集中して実施してください。
チューブグッドモーニング(脊柱起立筋)
グッドモーニング系種目は、お辞儀をするような動作になることから名前がつけられたトレーニング種目です。背中を丸めないように気をつけることがポイントです。
背筋群のダンベルトレーニング
ダンベルデッドリフト(背筋群全体)
ダンベルデッドリフトは背筋群の基本ダンベルトレーニングとも言える種目で、もっとも高負荷をかけることが可能です。動作ポイントとして最も大切なポイントは、背すじを真っ直ぐに保ったまま動作を行うことで、背中が丸まってしまうと腰椎に強い負担がかかってしまいますので、十分に注意してください。
背すじを真っ直ぐに伸ばすためには、胸を張り、やや上方に目線を向けることでずいぶんと姿勢がとりやすくなります。また、膝関節への負担を避けるため、膝がつま先よりも前に出ないように留意してください。
ダンベルを引き上げた後は、しっかりと肩甲骨を寄せ、背筋群を完全収縮させることも重要なポイントです。
ダンベルローイング(背筋群)
ダンベルローイングは広背筋に対して負荷のかかるトレーニング方法で、いくつかのバリエーションがありますが、初心者でも取り組みやすいのがベンチなどに片手をついて行うワンハンドダンベルローイングです。
胸を張り背すじを伸ばして構えたら、目線を前に向けて背中が丸くならないように留意してください。
ダンベルストレートアームプルオーバー(広背筋)
ダンベルプルオーバーは肘の角度によって大胸筋~広背筋まで負荷のかかる部位が変化するトレーニング方法ですが、広背筋をターゲットにする場合は肘を伸ばして行います。これをストレートアームダンベルプルオーバーと呼びます。
ダンベルショルダーシュラッグ(僧帽筋)
ダンベルショルダーシュラッグは僧帽筋に対して集中的な負荷をかけられるトレーニング方法です。肩をすくめるような動作でしっかりと肩甲骨を寄せることが重要で、この時にできるだけ他の部位を動かさないようにすることがポイントです。
ダンベルリバースフライ
ダンベルリバースフライは広背筋中央部に集中的な負荷をかけられるトレーニング方法です。初心者にとっては姿勢がとりづらい種目ですが、ベンチなどに頭をつけ、姿勢を安定させると比較的簡単に動作を行うことができます。
背筋群のマシントレーニング
スミスマシンデッドリフト(背筋群)
スミスマシンデッドリフトは、フリーウエイトトレーニングに近い感覚でトレーニングを行える種目で、なおかつマシンレールが軌道のブレを支えてくれるので、使用者はフリーウエイトのデッドリフトよりも負荷を引き上げることに集中できます。
反面、軌道が完全に固定されているので、軌道のズレは全て使用者の身体に返ってきてしまいます。このため、使用者は事前にシャフトだけで軌道確認を行ってからセットを行ってください。
Tバーローイング(背筋群)
Tバーローイングは、フリーウエイトトレーニングのバーベルベントオーバーローに近い感覚のマシントレーニングです。
ただし、使用者はバランスをとったり軌道を確保する必要がないため、負荷を引き上げることに専念できます。
フォームのポイントは、腰椎に負担をかけないよう胸を張り背すじを伸ばして背中を丸めないよいにすることと、膝関節に負荷をかけないよう膝をつま先より前に出ないようにすることです。
ケーブルローイング(背筋群)
ケーブルローイングは、背筋群のなかでも中央ライン、すなわち僧帽筋と広背筋中央部に有効なトレーニング種目です。
ケーブルを引いた位置でしっかりと胸を張り、肩甲骨を寄せきって背筋群を完全収縮させることがポイントです。
なお、使用するケーブルアタッチメントにより負荷のかかる部位が変化しますが、それは次の通りになります。
パラレルグリップ(ナロー)
もっともスタンダードなケーブルローイングが、パラレルナローアタッチメントで行うやり方で、背中の中央ラインに有効です。
ストレートアタッチメント(ナロー)
ストレートアタッチメントを狭い手幅で順手持ち(手の甲が上)で行うバリエーションでは、僧帽筋に高い負荷を加えられます。
ストレートアタッチメント(ワイド)
ストレートアタッチメントを肩幅より広くグリップするバリエーションは、広背筋側部に有効です。
ストレートアタッチメント(リバース)
ストレートアタッチメントを狭い手幅て逆手持ち(手の平が上)するバリエーションでは、広背筋下部に負荷が集まります。
ケーブルラットプルダウン(背筋群)
ケーブルラットプルダウンは、数少ない「上から腕を引き寄せる」軌道で背筋群に負荷を加えられる種目です。
胸を張り、アタッチメントを引き寄せた位置でしっかりと肩甲骨を寄せ、背筋群を完全収縮させることが大切なポイントです。
なお、本種目は使用するケーブルアタッチメントによって効果のある部位が変化しますが、それは次の通りになります。
パラレルグリップ(ナロー)
パラレルアタッチメントをナローグリップで用いるバリエーションでは、広背筋中央部に有効です。
ストレートアタッチメント(ナロー)
ストレートアタッチメントをナローグリップで用いるバリエーションでは、僧帽筋に負荷が集まります。
ストレートアタッチメント(ワイド)
ラットプルダウンのもっともスタンダードなバリエーションが、ストレートアタッチメントをワイドグリップするバリエーションです。
広背筋側部に集中的な負荷がかかります。
ストレートアタッチメント(リバース)
ストレートアタッチメントを狭い手幅でリバースグリップするバリエーションは、広背筋下部に有効です。
背筋群のバーベルトレーニング
バーベルデッドリフト(背筋群)
バーベルデッドリフトには大きくは二種類のバリエーションがあり、それは以下の通りです。
◯ルーマニアン(ヨーロピアン)スタイル
両足の外側でバーベルをグリップする
◯ワイドスタンス(スモウ)スタイル
両足の内側でバーベルをグリップする
いずれのスタイルにおいても、もっとも大切なフォームポイントは背中を丸めないことで、背中が丸まった状態で動作を行うと、腰椎に非常に強い負担がかかりますので、十分に留意してください。
また、膝をつま先より前にださないこと、膝の向きとつま先の向きを揃えること、も膝関節保護のために重要です。
なお、背筋トレーニングとして広背筋や僧帽筋にしっかりと負荷を加えるコツは、バーベルを引き上げた位置で肩甲骨を寄せきり背筋群を完全収縮させることです。
ルーマニアン(ヨーロピアン)スタイル
肩幅程度に開いた両足の外側でバーベルシャフトをグリップするスタイルで、背筋群にかかる負荷が高いやり方です。
このため、背筋トレーニングとしてデッドリフトを行う場合は、通常ルーマニアンスタイルで行います。
また、パワーリフティング競技でも、腕の長い海外の選手がこのスタイルを使うことがあります。
ワイドスタンス(スモウ)スタイル
大きく足を開いて両足の内側でバーベルシャフトをグリップするスタイルで、背筋群だけでなく下半身にも負荷が強くかかります。
バーベルを引く距離が短くなるという利点もあり、パワーリフティング競技でのデッドリフトは、基本的にはこのスタイルで行われます。
一般的なトレーニングとしては、下半身トレーニングのルーティンと干渉してしまうため、あまり行われません。
デフィシットデッドリフト(下半身と背筋群)
デフィシットデッドリフトは、台などの上に乗り、通常のデッドリフトよりもさらに深くバーベルを下ろすバリエーションです。
ハーフデッドリフト(背筋群)
ハーフデッドリフトは、台などの上にバーベルプレートを乗せ、通常のデッドリフトよりも浅い位置で背筋群にのみ負荷を加えられるバリエーションです。
バーベルベントオーバーロー(背筋群)
バーベルベントオーバーローは、広背筋を中心に僧帽筋にも効果の高い種目で、中腰前傾姿勢の「ニーベントスタイル」で行います。
ニーベントスタイルのフォームのポイントは、胸を張り、背筋を伸ばし、膝がつま先より前に出ないようにすることです。
実際にバーベルを引く時は、バーベルの重心と身体の重心が離れないようき、バーベルシャフトを太ももの上を擦るような軌道で行います。
バーベルベンチローイング
バーベルベンチローイングは、バーベルシャフトをフラットベンチの下に遠し、フラットベンチの上にうつ伏せになってバーベルを引き上げるトレーニングです。
バーベルを引く軌道が体幹に対して正面からになるため、広背筋の側部に高い負荷を加えられます。
また、腰に不安がある場合に、ベントオーバーローのかわりに行われます。
バーベルストレートアームプルオーバー(広背筋)
バーベルストレートアームプルオーバーは、体幹に対して上方向から負荷を加えられるため、広背筋側部に有効です。
なお、肘を曲げてしまうと負荷が広背筋ではなく大胸筋に負荷がかかってしまいますので注意してください。
バーベルショルダーシュラッグ(僧帽筋)
バーベルショルダーシュラッグは、僧帽筋に負荷を集中させられるトレーニングです。肩甲骨を寄せる動作に意識を集中し、肩関節や肘関節を動かさないようにすることが重要です。
バーベルグッドモーニング(脊柱起立筋)
バーベルグッドモーニングは、脊柱起立筋に有効なトレーニングです。反動を使って動作を行うと腰椎に強い負担がかかりますので、十分に留意してセットを行ってください。
また、腰を90度以上曲げるとバランスを失い転倒のリスクがありますので、上半身を倒すのは床と平行までにとどめてください。
背筋群のトレーニング種目一覧
胸郭の構造と周辺の筋肉
胸郭を構成する骨格
胸郭は胸骨・肋骨(第1~12)・胸椎(第1~12)および肋軟骨から籠状に構成されています。
胸郭を構成する筋肉
胸郭は胸壁筋群(外肋間筋・内肋間筋・肋下筋・長肋骨挙筋・短肋骨挙筋・胸横筋)および横隔膜から構成されており、胸式呼吸においては胸壁筋群が、腹式呼吸においては横隔膜が強く関与します。
ヒトの胸郭(英:thorax、独:Brustkorb、羅:thorax, pectus)は頚部と腹部の間にあり、心肺など生体重要臓器を容する体部で、円錐台形の籠状の構造になっており、弾力性に富む。胸郭後方には支柱となる12の脊椎がある。この脊椎を起点として12対の肋骨が前下方へ向かい、側方から再び上へ向かい、肋軟骨を介して胸骨と繋がり、肋骨籠 rib cage を構成する。この骨組に肋間筋その他の胸部諸筋、筋膜、横隔膜が付着して胸郭となり、その内壁を肋膜が覆って胸腔 thoracic cavity を形成する。
胸郭の周辺の筋肉
胸郭の周辺の体幹前面には大胸筋・小胸筋・前鋸筋、体幹後面には広背筋・僧帽筋・脊柱起立筋・菱形筋などがあります。
筋力トレーニングと食事の基礎知識
筋力トレーニングを実施したら、そこで満足して終わるのではなく、トレーニング効果を最大限高める食事・栄養摂取をする必要があります。
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