オオクワガタについて生物学的な特徴を解説するとともに、20年以上、生物学学芸員として博物館施設に勤務し、昆虫が専門分野の一つで世界中のクワガタ・カブトムシの飼育経験のある筆者が、その飼育方法についてご紹介していきます。
オオクワガタとはどんなクワガタ?
オオクワガタ(大鍬形、Dorcus hopei binodulosus)は、コウチュウ目クワガタムシ科オオクワガタ属オオクワガタ亜属に属するホペイオオクワガタの亜種であり、日本では最大級のクワガタムシである。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/オオクワガタ
クワガタムシの飼育の基本
クワガタムシの成虫の飼育環境は、基本的には国内・海外を問わず全ての種類に共通で、プラケースに広葉樹マットを敷き、クヌギ・コナラなどの産卵木を置き、餌として昆虫ゼリーを与えます。適切な温度・湿度であればほとんどの種類が問題なく産卵します。
クワガタの幼虫の飼育は種類によって異なります。オオクワガタ・ヒラタクワガタなどドルクス属のクワガタは菌糸ビンで育てると大きくすることができます。一方、それ以外の非ドルクス属幼虫は菌糸を消化吸収できないため発酵マットを使います。なお、ドルクス属の幼虫はやや小さく育ちますが発酵マットでも飼育可能です。
オオクワガタの成虫の飼い方
オオクワガタの成虫は、その大きな身体つきに似合わず温和な性格をしているので比較的飼いやすい部類に入ります。オスだけ、メスだけなら多頭飼育も可能です。ただし、オスとメスを複数入れると喧嘩が始まり、屈強な顎を持つだけに致命傷になりますので、異性同居飼育をする場合はオスメス1匹ずつの完全ペア飼育が無難です。飼育温度20度以上でクヌギやコナラの産卵木によく産卵し、15度をきると活動が低下、10度以下で冬眠に入ります。
本種の成虫はとても長命で、しっかりと冬眠をさせれば3~4年も生きた例があります。なお、加温して冬眠をさせない場合は丸1年ほどが寿命になります。
オオクワガタの繁殖と幼虫飼育
オオクワガタの幼虫は菌糸ビンでよく育ちます。産卵木を割って取り出した幼虫が初齢幼虫の場合は、2齢幼虫になるまで発酵マットで育ててから菌糸ビンに移します。初齢幼虫をいきなり菌糸ビンに入れると菌糸に巻かれてしまうことがあるからです。幼虫は早ければ1年で羽化しますが、大型個体を作出する場合はできるだけ涼しい環境においてゆっくりと2年をかけて育てます。なお、大型個体の場合、成虫になるまで4~5本の菌糸ビンが必要となります。
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