中生代の海の巨大爬虫類である首長竜の代表的な種の名前・大きさ・生態を生物学の博物館学芸員である筆者が解説します。
首長竜とは?
首長竜(くびながりゅう、英:Plesiosauria)は、中生代三畳紀後期に現れ、ジュラ紀、白亜紀を通じて栄えた水生爬虫類の一群の総称。
首長竜は恐竜ではない?
首長竜は爬虫綱双弓亜目鰭竜類に含まれる中生代の爬虫類の一群で、恐竜(竜盤類と鳥盤類)とは古生代ペルム紀に系統的に分化しています。
このため、首長竜は分類学上は恐竜に含まれませんが、「中生代の巨大な爬虫類」という意味での一般的な恐竜という言葉のくくりには含まれます。
首長竜目には大きく2つの系統があり、一つは頭が小さく首が長いプレシオサウルス類、猛一つは頭が大きく首が短いプリオサウルス類です。
中生代(三畳紀・ジュラ紀・白亜紀)の年代表
恐竜は古生代末期(ペルム紀)に起こった史上最大規模の大絶滅(ペルムの大絶滅|地球規模での森林火災が原因とする説が有力)の後に生じた生態的地位(ニッチ)の空白に適応して大繁栄を迎えました。
この大繁栄は中生代末期(白亜紀)に起こった大絶滅(隕石の衝突が原因とする説が有力)まで続きましたが、この大絶滅を機に一斉に地上から姿を消しました。
それでは、代表的な首長竜をご紹介していきます。
プリオサウルス(Pliosaurus brachydeirus)|首長竜目・ジュラ紀
プリオサウルス(Pliosaurus brachydeirus)は、ジュラ紀に生息していた海に適応進化した巨大爬虫類で、推定全長12m・推定体重3.5tの大型首長竜です。魚類・頭足類・海棲爬虫類を捕食していました。
ロマレオサウルス(Rhomaleosaurus cramptoni)|首長竜目・ジュラ紀
ロマレオサウルス(Rhomaleosaurus cramptoni)は、ジュラ紀前期の海で繁栄した首長竜の一種で、前述のプリオサウルスの近縁種です。
リオプレウロドン(Liopleurodon ferox)|首長竜目・ジュラ紀
リオプレウロドン(Liopleurodon ferox)は、ジュラ紀の海に生息していた首長竜で推定全長12mになる大型種です。
クロノサウルス(Kronosaurus queenslandicus)|首長竜目・白亜紀
クロノサウルス(Kronosaurus queenslandicus)は、白亜紀前期に生息していた首長竜です。
推定全長15m・推定体重4.5tと、このタイプ(首の短いタイプ)の首長竜としては史上最大サイズです。
プレシオサウルス(Plesiosaurus dolichodeirus)|首長竜目・ジュラ紀
プレシオサウルス(Plesiosaurus dolichodeirus)は、ジュラ紀に出現した首の長いタイプの、いわゆる典型的な首長竜の始祖的な存在です。全長5mとまだ小型でした。
クリプトクリドゥス(Cryptoclidus eurymerus)|首長竜目・ジュラ紀
クリプトクリドゥス(Cryptoclidus eurymerus)は、ジュラ紀の海で繁栄をしていた首長竜で、比較的ずんぐりとした体型をし、魚・甲殻類・アンモナイト・イカなどを捕食していました。最大全長8m・体重8t。
ムラエノサウルス(Muraenosaurus属)|首長竜目・ジュラ紀
ムラエノサウルス(Muraenosaurus属)はユーラシア大陸西部に分布していた首長竜で、最大全長6mであったと推測されています。
エラスモサウルス(Elasmosaurus platyurus)|首長竜目・白亜紀
エラスモサウルス(Elasmosaurus platyurus)は、白亜紀後期の北アメリカ大陸に生息してた首長竜で、推定最大全長7.1mと大型化しています。
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