1週間に四回の部位分割筋トレメニューの具体的な組み方例を、自宅種目(自重・チューブ・ダンベル)とジム種目(マシン・バーベル)それぞれに例示解説します。
部位分割トレーニングとは
筋トレをすると筋肉を構成している筋繊維は微細な裂傷という形でダメージを受けます。そして、そのダメージから回復する時にトレーニング前よりも筋繊維は強く太くなって回復します。
これを「超回復」といいます。そして、この超回復を適切な頻度で繰り返すことで筋肉を成長させる方法を「超回復理論」と呼びます。
この超回復理論は厚生労働省の公式ページにも記載されている、科学的に証明された理論ですので、この理論にのっとってトレーニングを行っていくことが適切なやり方です。
”筋肉はレジスタンス運動を行うと筋線維の一部が破断されます。それが修復される際にもとの筋線維よりも少し太い状態になります。これを「超回復」と呼び、これを繰り返すと筋の断面積が全体として太くなり筋力が上がります。筋力のトレーニングはこの仕組みを利用して最大筋力に近い負荷でレジスタンス運動し、筋が修復されるまで2~3日の休息ののち、またレジスタンス運動でトレーニングということの繰り返しによって行われます。(厚生労働省|e-ヘルスネット)”
超回復の時間は個人差や栄養摂取・睡眠時間などによって左右されますが、完全に筋肉が回復するのには最大で72時間以上が必要です。
そして、この筋肉の超回復を考慮すると、一日で全身全ての筋肉を鍛えると、週に1回しかトレーニングできない状況となり、とても非効率です。
そこで、全身の筋肉を筋肉同士の連動性に基づいていくつかの部位グループに分け、それをローテーションで週に2~4回のトレーニングで鍛えていくのが「部位分割法=スプリットトレーニング」です。
この部位分割法は、とても効率的なトレーングプログラムとして広く認知されていますので、これからトレーニングを始める方も部位分割法で取り組んでいくとよいでしょう。
筋肉の部位グループ分け
筋力トレーニングの対象となる主な筋肉部位はこの図の通りです。それぞれの筋肉の詳しい構造・作用などについては下記の記事をご参照ください。
筋肉の名前(読み方)と作用|部位詳細・英語名称・ラテン名・起始停止なども解説
これらの筋肉をその連動性によって部位グループ分けすると以下のようになります。
上半身の押す作用の筋肉
大胸筋・三角筋・上腕三頭筋・前腕伸筋群
上半身の引く作用の筋肉
広背筋・僧帽筋・上腕二頭筋・前腕屈筋群
体幹の筋肉
腹筋群・長背筋(脊柱起立筋)・腸腰筋群
下半身の筋肉
大腿四頭筋・ハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)・臀筋群・内転筋群・下腿三頭筋
全身の筋肉を4つのグループに分ける
全身の筋肉を週4回の部位分割トレーニングのために4つに分けると以下のようになります。
①大胸筋+体幹前側の筋肉
具体的には以下の筋肉です。
大胸筋・腹筋群・腸腰筋群
②背筋群+体幹後側の筋肉
具体的には以下の筋肉です。
広背筋・僧帽筋・長背筋(脊柱起立筋)
③肩と腕の筋肉
具体的には以下の筋肉です。
三角筋・上腕三頭筋・上腕二頭筋・前腕筋群
④下半身の筋肉
具体的には以下の筋肉です。
大腿四頭筋・ハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)・臀筋群・内転筋群・下腿三頭筋
具体的な週4回の部位分割トレーニング例(自宅)
①週1回目のトレーニング(大胸筋+体幹前側)
①大胸筋のコンパウンド種目:腕立て伏せ(膝つき腕立て伏せ)またはチューブチェストプレスまたはダンベルプレスを3~5セット
②大胸筋のアイソレーション種目:チューブチェストフライ(チューブプルオーバー)またはダンベルフライ(ダンベルプルオーバー)を3~5セット
③腹筋群の種目:クランチ(クランチツイスト)またはチューブクランチまたはダンベルクランチ(ダンベルサイドベント)を2~3セット
④腸腰筋群の種目:レッグレイズまたはチューブレッグレイズまたはダンベルレッグレイズを2~3セット
②週2回目のトレーニング(下半身)
①下半身全体のメニュー:自重スクワットまたはチューブスクワット(チューブレッグプレス)またはダンベルスクワットを2~3セット
②大腿四頭筋のメニュー:シシースクワットまたはチューブレッグエクステンションまたはダンベルレッグエクステンションを2~3セット
③ハムストリングスのメニュー:ブルガリアンスクワット(フロントランジ)またはチューブレッグカール(チューブスティッフレッグドデッドリフト)またはダンベルフロントランジ(ダンベルレッグカール)を2~3セット
④内転筋群のメニュー:ワイドスクワット(サイドランジ)またはチューブワイドスクワット(チューブアダクション)またはダンベルワイドスクワット(ダンベルサイドランジ)を2~3セット
③週3回目のトレーニング(背筋群+脊柱起立筋)
①引く筋肉全体のメニュー:懸垂(斜め懸垂)またはチューブデッドリフトまたはダンベルデッドリフトを3~5セット
②広背筋のメニュー:チューブラットプル(チューブローイング)またはダンベルローイングを2~3セット
③僧帽筋のメニュー:パラレル懸垂またはチューブショルダーシュラッグ(チューブリバースフライ)またはダンベルショルダーシュラッグを2~3セット
④脊柱起立筋のメニュー:バックエクステンション(ヒップレイズ)またはチューブグッドモーニングを2~3セット
④週4回目のトレーニング(三角筋+上腕三頭筋+上腕二頭筋)
①三角筋のコンパウンド種目:パイクプッシュアップまたはチューブショルダープレス(チューブアップライトロー)またはダンベルショルダープレス(ダンベルアップライトロー)を2~3セット
②三角筋前部の種目:チューブフロントレイズまたはダンベルフロントレイズを2~3セット
③三角筋中部の種目:チューブサイドレイズまたはダンベルサイドレイズを2~3セット
④三角筋後部の種目:チューブリアラテラルレイズ(チューブフェイスプル)またはダンベルリアラテラルレイズを2~3セット
⑤上腕三頭筋の種目:ナロープッシュアップ(ベンチディップス)またはチューブフレンチプレス(チューブプレスダウン)またはダンベルフレンチプレス(ダンベルキックバック)を2~3セット
⑥上腕二頭筋の種目:逆手懸垂またはチューブカール(チューブハンマーカール)またはダンベルカールを2~3セット
具体的な週4回の部位分割トレーニング例(ジム)
①週1回目のトレーニング(大胸筋+体幹前側)
①大胸筋のコンパウンド種目:マシンチェストプレス(スミスマシンベンチプレス)またはバーベルベンチプレスを3~5セット
②大胸筋の仕上げ種目:マシンチェストフライ(ケーブルフライ)またはバーベルインクラインベンチプレス(バーベルデクラインベンチプレス)を3~5セット
③腹筋群・腸腰筋群のメニュー:ケーブルクランチを3~5セット
②週2回目のトレーニング(下半身)
①下半身全体のメニュー:マシンレッグプレス(スミスマシンスクワット)またはバーベルスクワットを2~3セット
②大腿四頭筋のメニュー:ハックスクワット(マシンレッグエクステンション)またはバーベルフロントスクワットを2~3セット
③ハムストリングスのメニュー:マシンレッグカールまたはバーベルフロントランジ(バーベルスティッフレッグドデッドリフト)を2~3セット
④内転筋群のメニュー:マシンアダクション(ケーブルアダクション)またはバーベルサイドランジを2~3セット
③週3回目のトレーニング(背筋群+脊柱起立筋)
①引く筋肉全体のメニュー:Tバーローイング(スミスマシンデッドリフト)またはバーベルデッドリフトを3~5セット
②広背筋のメニュー:ケーブルラットプルダウン(ケーブルローイング)またはバーベルベントオーバーロウを2~3セット
③僧帽筋のメニュー:ケーブルショルダーシュラッグまたはバーベルショルダーシュラッグを2~3セット
④脊柱起立筋のメニュー:スミスマシングッドモーニングまたはバーベルグッドモーニングを2~3セット
④週4回目のトレーニング(三角筋+上腕三頭筋+上腕二頭筋)
①三角筋のコンパウンド種目:マシンショルダープレス(ケーブルアップライトロー)またはバーベルショルダープレスを2~3セット
②三角筋前部の種目:ケーブルフロントレイズまたはバーベルフロントレイズを2~3セット
③三角筋中部の種目:ケーブルサイドレイズまたはバーベルアップライトローを2~3セット
④三角筋後部の種目:ケーブルリアラテラルレイズ(ケーブルフェイスプル)を2~3セット
⑤上腕三頭筋の種目:マシンディップス(ケーブルプレスダウン)またはバーベルナローベンチプレス(バーベルフレンチプレス)を2~3セット
⑥上腕二頭筋の種目:マシンカール(ケーブルカール)またはバーベルカール(バーベルEZバーカール)を2~3セット