顕微鏡は天体望遠鏡とならび少年少女の科学の心を刺激する光学機器です。しかし、格安品には粗悪品もあり、せっかく芽生えた科学心を台無しにする場合もありますので、やはりメーカー品がおすすめです。
生物学の学芸員を職業とし、数多くの顕微鏡を使用している筆者が、そのタイプ別に、初心者・小学生むきのメーカー品を厳選してご紹介します。
■顕微鏡の種類
●顕微鏡と実体顕微鏡の二種類がある
顕微鏡には、薄くスライスした対象を高倍率で観察する「顕微鏡」と小生物などを比較的低倍率でそのまま観察する「実体顕微鏡」があります。それぞれに用途が異なりますので、「何を主に見たいか」でどちらのタイプにするかを選定します。
●顕微鏡の特徴と観察対象
いわゆる顕微鏡と言えば、小学校の理科室にあるようなこちらのタイプです。
顕微鏡は、対象の下から透過光源を当てて透かして見る構造をしており、観察対象は薄くスライスしてプレパラートに乗せて観察します。
高倍率で細胞などを観察するのに適していますが、厚みのあるものはそのままでは観察できず、生物で言えばミジンコやプランクトンなどの小さくて透明に近いものに観察対象が限定されます。
観察対象を薄くスライスしてプレパラート化するのは、かなり高度な技術が必要で、初心者や小学生の場合、一般的には既成の永久プレパラートを観察することになり、野外で入手したものを観察する面白味には欠けます。
よくあるケースとして、こちらの通常タイプの顕微鏡を購入してしまい、観察対象があまりないため飽きてしまう、ということがあります。
ですので、顕微鏡に興味を持った小学生などに購入するのであれば、次の項目で解説する、野外で入手したものをそのまま観察できる実体顕微鏡を強くおすすめします。
●実体顕微鏡の特徴と観察対象
顕微鏡としてはマイナーなタイプのですが、対象物に光を当て、両目を使って立体的に観察ができるのが実体顕微鏡です。
倍率がやや低いという部分はありますが、細胞観察などでなく野外の動植物を拡大して観察するのには十二分です。
また、観察対象をスライスする必要がないので、動植物を傷つけずに観察できる点でも小学生に適しているでしょう。
なお、生物学分野で顕微鏡と言えば、どちらかと言えばこちらの実体顕微鏡が主流です。
それでは、次の項目では初心者や小学生むきの顕微鏡および実体顕微鏡をご紹介していきますが、顕微鏡はあくまでも光学機器です。
一万円を大きく下回る低価格で売られているものはおすすめしません。ビクセン・ケンコートキナー・ミザールテックなどの国内光学機器メーカーの入門機を購入することを強くおすすめします。
■初心者・小学生におすすめの顕微鏡
●ケンコートキナー
国内光学機器メーカー老舗のケンコートキナーの入門用顕微鏡がこちらです。
●ミザールテック
こちらは国内光学機器メーカーとして有名なミザールテックから発売されている初心者むけ顕微鏡セットです。
●ビクセン
国内光学機器メーカー最大手の一つであるビクセンの小学生むき顕微鏡セットは、他メーカーよりやや高価ですが、やはり性能的にはワンランク上になります。
■初心者・小学生におすすめの実体顕微鏡
●ケンコートキナー
ケンコートキナーの入門用実体顕微鏡がこちらです。野外で入手したものを簡単に拡大撮影ができるスマホ撮影キットも付属しています。
●ミザールテック
ミザールテックの初心者むけ実体顕微鏡がこちらです。他メーカーよりも若干リーズナブルなのが魅力的です。
●ビクセン
ビクセンの小学生むき実体顕微鏡がこちらですが、さすがビクセンだけあって大人にも十分な性能を備えています。
筆者の子供が顕微鏡を欲しがったとしたら、おそらくこの実体顕微鏡をチョイスします。
■野外に持ち出せるハンディ顕微鏡
最後に、この数年でブレークしている、野外に持ち出せるハンディ顕微鏡を、性能が確実なメーカーから厳選してご紹介します。
●レイメイ藤井
ハンディ顕微鏡ブームの火付け役となったのが、レイメイ藤井の製品ですが、最新バージョンはズームレンズを実装しています。
●ケンコートキナー
国内光学機器老舗メーカーのケンコートキナーから発売されているハンディ顕微鏡がこちらです。
●セレストロン
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