20年以上ホトケドジョウを飼育している筆者が、その飼い方をはじめとして本種の特徴・生息環境・餌・寿命・繁殖のほか水槽のセット方法などを解説するとともに、生体の通販についても詳しくご紹介します。
■ホトケドジョウとはどんな魚?
ホトケドジョウ(仏泥鰌、仏鰌、学名:Lefua echigonia)は、条鰭綱コイ目ドジョウ科に属する魚類である。日本固有種で、青森県、中国地方西部を除く本州、四国に分布する
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/ホトケドジョウ
■ホトケドジョウの生態・特徴
●里山のせせらぎに生息する
ホトケドジョウ(Lefua echigonia)はコイ科タニノボリ科に属する日本の淡水魚で、青森県以南中国地方以東の本州と四国に分布しており、やや丘陵地となった里山にある水温が低めの小川・用水路・湿地などに生息しています。
生息環境の底質は、泥質~細かい砂質を好み、ほとんどの時間を砂泥底に潜って過ごしますが、飼育下では通常の砂利などを敷いて、潜らせずに飼育しても特に健康に影響はありません。
食性は雑食性で藻類なども食べますが、どちらかと言えば肉食傾向が強く、小型の水生昆虫や甲殻類などを捕食します。
繁殖期は3~6月で、一尾の雌に数匹の雄が群がり産卵をします。卵は粘着卵で、水中の水草や枯葉などに産み付けられ、産卵後数日で孵化します。本種の成長・成熟は比較的遅く、成熟するまでに2年前後かかります。
■ホトケドジョウの飼育水槽セット
●60cm水槽に外部フィルターと水槽用チラーを設置する
こちらが、ホトケドジョウの飼育水槽のセット方法の模範例を図にしたものです。ホトケドジョウは浅い水深で飼育する必要があるので、水槽は水位調整が可能な60cmのオーバーフロー水槽で、クッションタンクを水槽下に設置して水量を増やして水質の安定化を図ります。
ホトケドジョウは水温25℃以下で飼育するのが理想となるため、夏場に備えて水槽用チラーが必要になります。水槽用チラーに飼育循環水を通すために、必然的に濾過システムは外部密閉式フィルターが必須になります。
全水量が多く、浅めの水位環境で、水温が25℃以下を保てる飼育環境さえ整えれば、ホトケドジョウは非常に頑健な種類ですので、長期飼育が可能です。
水槽には隠れ家となる石組みを行うと、より安定して飼育が可能で、その石組みにコケ類を配置して「和風アクアテラリウム」にすると、リビングなどの癒しのインテリアとしても最適です。
●ホトケドジョウ飼育におすすめの水槽と周辺機器
また、安く上げたい方は、少々手間がかかりますが、市販のガラス水槽(底面塩ビ)の底に穴をあけて、こちらのようなオーバーフロー用配管をシリコンまたは水中ボンドで接着する方法もあります。
水温を冷却するための水槽用チラーは、以前はかなり効果でしたが、最近は家庭用小型水槽に対応したミニタイプが販売されており、かなりお求めやすくなっています。
また、外部フィルターにはさまざまなメーカーからさまざまなグレードのものが発売されていますが、経験上おすすめなのがエーハイムのクラシックフィルター2213の一択です。安価な普及型の使用経験もありますが、密閉部分などの強度があまり高くなく、数年でどこかが壊れることがほとんどです。
その点、ハイグレードタイプのクラシックフィルター2213なら10年近く無修理で稼動させることが可能です。
▼おすすめ水槽セット
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ホトケドジョウは雑食性で何でも食べますので、市販の配合飼料などでも飼育は可能ですが、おすすめは冷凍赤虫または乾燥赤虫です。配合飼料には「つなぎ」として小麦粉などの炭水化物が使用されており、これが水槽の底砂や濾過槽に詰まっていき水質悪化の原因になります。
冷凍赤虫や乾燥赤虫だと炭水化物がありませんので、水質悪化の原因となる粒子ゴミが発生しにくくなり、水換えの頻度も極端に抑えることが可能です。
ホトケドジョウは冷水に生息する淡水魚で、その代謝・成長速度はゆっくりです。このため、このサイズの淡水魚としては比較的長命で、普通で3~4年、上手に飼育すれば5年以上は飼育することができます。
また、飼育下での人工繁殖は比較的簡単な部類です。ただし、繁殖行動を引き起こすためには、冬季の低温期間からの水温上昇が必須となります(低温刺激)。ですので、繁殖を目指す場合は、冬季は屋外などの低水温で冬眠させる必要があります。
産卵床としてはウィローモスなどの沈水性コケ類がおすすめです。産卵後は数日で孵化しますが、かなり大きめの孵化仔魚ですので、いきなりブラインシュリンプなどのプランクトンを食べるので、初期飼料にも困ることはありません。市販されている孵化仔魚用の配合飼料でも育成可能です。
地球が何億年もかけて進化させてきた生き物を、人間の都合でかく乱することは厳に避けなくてはいけません。
筆者は長年、淡水魚飼育と植物テラリウムの作成を仕事として行っていますが、やはり淡水魚飼育には「和の癒し」に満ちた「和風コケテラリウム」がおすすめです。下記の記事では、苔テラリウム(コケリウム)の作り方から使用する苔の種類・入手方法まで詳しく解説しています。是非ご活用ください。
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【苔テラリウム&苔玉入門】通販で買える販売キットから作り方・育て方や苔の種類紹介
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■ホトケドジョウに与える餌
●冷凍赤虫や乾燥赤虫が最適
ホトケドジョウは雑食性で何でも食べますので、市販の配合飼料などでも飼育は可能ですが、おすすめは冷凍赤虫または乾燥赤虫です。配合飼料には「つなぎ」として小麦粉などの炭水化物が使用されており、これが水槽の底砂や濾過槽に詰まっていき水質悪化の原因になります。
冷凍赤虫や乾燥赤虫だと炭水化物がありませんので、水質悪化の原因となる粒子ゴミが発生しにくくなり、水換えの頻度も極端に抑えることが可能です。
■ホトケドジョウの寿命と人工繁殖
●5年以上生き人工繁殖は可能
ホトケドジョウは冷水に生息する淡水魚で、その代謝・成長速度はゆっくりです。このため、このサイズの淡水魚としては比較的長命で、普通で3~4年、上手に飼育すれば5年以上は飼育することができます。
また、飼育下での人工繁殖は比較的簡単な部類です。ただし、繁殖行動を引き起こすためには、冬季の低温期間からの水温上昇が必須となります(低温刺激)。ですので、繁殖を目指す場合は、冬季は屋外などの低水温で冬眠させる必要があります。
産卵床としてはウィローモスなどの沈水性コケ類がおすすめです。産卵後は数日で孵化しますが、かなり大きめの孵化仔魚ですので、いきなりブラインシュリンプなどのプランクトンを食べるので、初期飼料にも困ることはありません。市販されている孵化仔魚用の配合飼料でも育成可能です。
■ホトケドジョウの通販について
最後に、ホトケドジョウの通販販売店とその値段をご紹介します。なお、飼育用として購入したホトケドジョウは必ず最後まで飼いきり、安易な放流は絶対に控えてください。ホトケドジョウは地域ごとに遺伝子タイプが細分化されていますので、既存生息地への他地域個体の放流は遺伝子汚染を引き起こします。地球が何億年もかけて進化させてきた生き物を、人間の都合でかく乱することは厳に避けなくてはいけません。
■和風アクアテラリウムには苔類を
●コケリウムの作り方と苔の種類
筆者は長年、淡水魚飼育と植物テラリウムの作成を仕事として行っていますが、やはり淡水魚飼育には「和の癒し」に満ちた「和風コケテラリウム」がおすすめです。下記の記事では、苔テラリウム(コケリウム)の作り方から使用する苔の種類・入手方法まで詳しく解説しています。是非ご活用ください。
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■日本産淡水魚・飼育種類図鑑
日本産淡水魚の家庭飼育向きの種類を厳選し解説しているのが下記の記事です。魚類飼育歴20年以上の博物館学芸員が執筆したものです。
日本の淡水魚・飼育種類図鑑|それぞれの特徴と家庭水槽での飼い方(水槽のセット方法)