仲の良い夫婦やカップルを象徴する美しい水鳥であるオシドリの生態と特徴を写真集形式で解説します。
■オシドリってどんな水鳥?
●国内を移動する樹上性の水鳥
オシドリは漂鳥と呼ばれ、季節により国内での生活地を変える習性を持っています。具体的には、冬季以外は本州の中部以北の水辺で暮らし繁殖し、冬季には中国・四国・九州などの暖かい地域に移動します。
草食性の強い雑食で、昼間は水草などを食べて過ごしますが、他の水鳥のように水面や水辺で寝ることはなく、夜間には近隣の樹木の枝で休みをとります。
また、繁殖・抱卵も大木のウロなどで行う、樹上性の強い種類です。
色鮮やかなオシドリ独特の羽色になるのは繁殖期のオスだけで、それ以外の時期はエクリプス(非繁殖羽)と呼ばれる地味な色をしています。
こちらはメスの写真ですが、エクリプスのオスもこれとほとんど変わらない地味な羽色です。ただし、オスの嘴は色鮮やかなままですので、非繁殖期には嘴の色で雌雄判別を行います。
さて、仲の良い夫婦やカップルの代名詞にも使われるオシドリですが、実際はどうなんでしょう?
実際、筆者は生物学学芸員として20年以上オシドリの飼育にたずさわっていますが、たしかに繁殖期にペアになった雌雄は非常に仲が良いのですが…
毎年ペアは変わります。ちょっと我々の持つイメージとは違いますね。
とにかく、その美しい羽色は見ていて飽きることがありません。